今日は小雨

道路や木立が随分と濡れていたので、雨が降っていると思って傘を差して歩き出した。水溜まりに落ちる雨の雫は見えないが、目が悪いので見えないのだろうと思って傘を差して歩き始めた。

歩き出してすぐ中年の女性とすれ違った。スーパーの帰りのようである。その人は傘を持たずに歩いている。雨が上がっているのに傘を差している私は間が抜けて映るかもしれない。傘に当たる雨の音は静かであるが音はしているから降っていないわけではない。傘を差したまますれ違った。

角を曲がると向こうから若い女性が来た。この人も傘を持っていない。微かだが傘に当たる雨の音がまだ聞こえる。

傘を差したまま仕事場まで来た。途中会ったのは傘を持たない二人だけだった。たたむとき傘が濡れているか触ってみると濡れていた。僅かだが雨は降っていたのだ。傘を差していてもおかしくはなかったのだ。

微かに降る雨の中を傘を差さずにゆっくりと歩いている人を見ると傘を差している自分がこのまま差していていいものか不安になる。