コンセントの奥が燃えていた

オープントースターでブロッコリーと人参の茹でたものを焼いてる。ガスレンジではフレンチトーストを焼いていると異臭がした。プラスチックが燃えた様な匂いだ。ポリ袋の切れ端をブロッコリーと一緒に焼いてしまったか、耐熱皿の中を確かめる。ここは臭わない。トーストを焼いているフライパンにも異物は混入していない。

 

窓は駐車場に面していて数台が契約している。車を止めるとドアを音高く閉めては立ち去っていった。朝のことで車から出てすぐ煙草に火をつける人などいない。朝でなくても今どき車のドアを閉めたとたん煙草に火をつける人などはいない。外には火の気などなく外から臭うのではない。

 

この臭いには毒がある。換気扇を回し窓を開けた。とオープントースターの火が消えている。オープントースターのプラグを指しているコンセントから電気を取れなくなってた。コンセントの一つにはガス漏れ警報器のプラグが差し込んである。電気がいれば青いランプがついているのだが今は消えている。コンセントにプラグを差して押さえてみるとコンセントのある壁がブカブカしてコンセントが熱い。携帯の充電器のプラグが熱くなったことがあるのでコンセントが熱くなることもあるのだろう。仕方がないので長いプラグコードをつないで別のコンセントから電気を取ってオープントースターを使った。

 

キャッチ!世界のトップニュース』がそろそろ終わるというとき画面が真っ暗に。BS!のボタンを押す。「エラー」の表示が。アンテナレベルが右下がりの矢印だった。また母がプラグを抜いたかと居間へ。抜いてはいなかった。平常通りである。

「今見ていたのに急にうつらなくなっちゃったんだよ」

母は苦情を言いだした。原因が分からない。

 

アンテナレベルが右下がりの矢印が現れて修理したばかりである。その時の電気の修理屋さんが一時半に来ることになった。この前テキトーに直したんじゃないの。修理完了で帰って一時間もたたないうちにまた映らなくなってその日のうちにまた来てもらった経緯がある。その時はどこを修理したかは説明がなくとりあえず映るようにはしましたという風だったとか、その日修理してくれたのは息子さんだったが大丈夫かいなという思いがあったがまあとりあえず映るようにはなってはいるけどとか不信感が湧いて来る。

 

今日はお父さんだった。まず今のコンセント次に台所のコンセントを見てくれた。私は自分の部屋にこもった。途中家の電気を切りますと言われた。どうぞどうぞ私は図書館で借りて来たばかりの『演劇界』をじっくりと見ています。こんな機会でもなければパラパラめくっただけで返してしまうことになる。

 

修理が終わりましたと声をかけられた。三時近くである。今のコンセントは古くなっているので取り替えました。台所のコンセントは奥が燃えていたそうな。今朝のプラスチックが燃えている様な臭いは壁の中で電線のカバーが燃えたのだった。

 

危ないことだった。火事になったかもしれない。テレビが映らなくならなければ電気屋さんを早急には呼ぶこともなかっただろう。そしたらコンセントの奥が燃えたことにも気が付かなかった。あの臭いは異様だった。あの異様な臭いがしたときコンセントのある壁がブカブカした時原因を突き止めるべきであった。