駐車場バトル

バックで駐車しようとしていたらかなりのスピードで赤い車が後ろを横切った。ブレーキを踏む。その車は私が止めようとしていたスペースに割り込んだのだ。相手の車が駐車する前にこちらも予定通りバックで駐車を試みた。

 

当然一台の駐車スペースには二台は無理だ。車を停車してドアを開けてしばらく待つ。相手が車から降りて来て

「対応があり得ない」

とか大声をあげた。

「私がバックで駐車しようとしてるときにかなりのスピードで前進してきたけど私の方が先にきていたんです」

と話した。先に来ていたのは言うまでもない。駐車スペースでないところで車がバックしているのが赤い車の運転者の目に入らないはずはない。そのバックが駐車をするためだとはわかる。

「対応があり得ない」

とまた叫ぶ。さらに言いたそうだ。四角い黒ぶちメガネの五十代位の女性である。何を言うのか聞いてやろうついでに相手の品定めをしよう。と黙って口を開くのを待つ。僅かの沈黙の内に

「どかします」

と言う。

「どかしてください」

と返答する。

「その車をどかさないで出れないのでどかして下さい」

と言う。私の車をどかせと減らず口をたたかなくても自分の車を右は動かし私が駐車してから出て行けばよいのだ。そんなこと言うのも面倒だのでどいてやった。

相手はいったん駐車スペースに車を入れてから前進で出て行った。

 

予定のスペースに駐車した。

 

減らず口で思い出した。やはり車をどかせと言われた。

かなり以前のことだ。私が出ようとしていたら駐車スペースでない出入口付近に車を置いて立ち去ろうとしている女性がいた。

「そこに車があると入口の信号が赤のままで外から車が入ってこれませんよ」

と言うと

「分かりました。でもあなたの車がそこにあっては私の車を移動でいないのでまずあなたの車をどかして下さい」

と挑戦的なことを言う。いやいや私の車が出てから移動すべきだろう。それに何故私の車をどかしてまで通路の狭い右手に来るのだ。左へ行けば右よりずっと広いし駐車スペースにも余裕があるというのに。一言返さずには相手の言いなりになるようで口惜しいのだろう。めんどくさい女だと思ったが「左へ行けば」と言うのも面倒なのでこれもどいてやった。

 

そこの地下駐車場は出入口がトンネルでしかもカーブしている。車一台しか通れないのに対向車が壁に遮られて見えないのだ。向こうから車が来るときは信号は赤であるから対向車が通り過ぎて信号が青になるまで停車位置で待つのだ。信号が青になったら通行していいのだ。出口付近に車があるとセンサーが出庫する車があると感知して入口の赤の信号が点灯したままである。これではその女性が車道移動するまで道路から車が入れない。

 

利用者が多いのに駐車スペースが少ないとか駐車スペースが狭い駐車場の利用はストレ

スを受けやすい。