母が転んだ

母が襖ごと廊下に倒れて来た。襖がクッションの役目を果たし腰を板敷の廊下に打ち付けることはなかった。

襖も破れはしなかった。

しかし母は起き上がれないと言う。

手を差し伸べて引っ張って立たせてくれと言うが重くて持ち上がらない。

大きなバスタオルを下に引いてもらって端を持って引っ張った。

重いがベットまで引きずって行った。

自力でベットに登った。

もう寝ると言う。そうはいってもまだ七時前である。

電気を消してくれと言うので部屋を暗くして出た。

少しして気になったので痛み止めがいるか尋ねた。

「痛くない」

と言う。では起き上がれなかったのは筋肉が弱っていたためだろうか。

「年老いて情けない」

と言う。

 

昨日の夕食はご飯を数口と豆腐を食べただけである。好物のエビフライは全く手つかずだった。

 

今朝はパンと小豆、牛乳、ミカン、ゆで卵であったがすべて食べた様だ。お膳をかたずけたのは私ではないのでどのくらい残ったか分からない。使った食器はすべて洗ってあったので取っておくほどの残りは出なかったのかと思う。

 

今夜はご飯を半分残した。昨日の海老フライは玉ねぎと煮て出したが一口齧っただけだった。今となってはご飯では固いのか。パンの方が柔らかくて食べやすいのか。それともだだ不味いから食べないだけなのか。