「タイ強硬派が暴徒化」
タイの強制排除の続き
タイの治安当局は19日、「反独裁民主戦線」(UDD)のデモ隊を強制排除し、アビシット政権は首都の政権を奪還した。一か月半ぶり。
UDDは抗議活動の終了を宣言。幹部6人が投降して逮捕された。
しかし強硬派幹部の決定に従わず、市内の巨大ショッピンセンターなどで放火や略奪が起きた。騒乱は地方にも波及している。
タイ治安本部は19日、国外逃亡中のタクシン元首相やUDD幹部ら計10名に対し逮捕上を取った。
19日午後8時から20日午前6時まで、バンコックと23県に外出禁止令を発令。
☆アビシット政権側の事情☆
「旧来の支配体制支持層」「既得権益層」の代表と捉えられて打倒を目指す者たちが活動に参加。これも強硬派が台頭する要因に。
「11月14日総選挙」の日程は白紙に。
社会格差是正など「国民和解に向けた5項目の行程表」は、そのまま実行。
格差固定の抜本的改革を具体化できるかどうかが、今後の社会安定のカギ。
☆プミポン国王☆
今回は、調停に乗り出さず。高齢と健康状態が優れず。
国王は、旧来のエリート層や企業家につながるアビシット政権を支持していた。
UDD側は王室による調停を期待していたが無視された。
王室とその周辺が、拡大するUDDの活動に不快感をもっていた。
☆タクシン元首相☆
「UDDとはもはや関係ない」との談話を発表。 ― UDDの幹部の一部「我々はタクシン氏の指示だけで動いているのではない」。
☆UDD☆
「アビシットは政権を盗んだ」 ― UDDの抗議活動の終了を宣言後、放火現場にいたメンバー。
「我々は暴力は行使していない。UDDはただのテロリスだ」 ― 去年の空港占拠に参加した大学生。
☆国際社会の声☆
国連のバンギムン事務総長は、13日治安部隊とUDDの衝突が激化した後対話の道を探るよう求める声明を発表。
インドネシアのユドヨノ大統領は17日、声明を発表しアピシット政権に性急な制圧行動は控えるようにくぎをさす。
☆タイ政治の専門家(玉田芳史 京都大大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授)☆
今回の騒乱の端緒は、タクシン氏の財産没収判決に対する抗議だった。
UDD側の主張に多数が共感。 ― 現在のタイ政府は一部特権階級のためだ。と気づく。
焦点が、タクシン氏の処遇から、タイ社会の根深い差別に移っていた。
政府側はこの課題に手をつけることなくデモを武力鎮圧し、多くの人は不満を抱えたまま残された。
占拠地区周辺や地方に残される騒動は、組織化されてもいない、リーダーもいない、いずれ沈静化する。
国民和解と呼べるような双方が納得できる状況ではなく火種が残った。
中長期的には不安定な政情が続くだろう。
◎ ◎ ◎
今回の騒動の流れはザックリとは分かった。
でも
疑問1「王室を巻き込むのは我慢の限界」という言葉の背景は。
疑問2どうして軍事クーデターなの。クーデターを起こした側には大義がある ようなことをいっているふうだけど、民主国家でクーデターは反則でな いか。
がまだ分からない。
映画『王様と私』はタイが舞台だし、アユタヤにあった日本人町やそこで活躍した山田長政などでタイには昔から関心があった。実際に言ってみると出会った人たちは穏やかで、良い印象が残っている。その国でこの騒ぎ。そもそもタイって歴史的にどんな国。
数々の疑問は残るが、でも、もう調べるのも書くのも疲れた。これらの疑問は当分お預け。