浅草神社の奉納演奏

昨日、浅草神社で奉納演奏をきいた。

演奏は東京大衆歌謡楽団という男兄弟の四人組である。昭和初期の歌謡曲を歌う楽団である。

レパートリーには古いところでは昭和6年藤山一郎の「丘を越えて」、新しい歌には春日八郎の昭和27年の大ヒット「赤いランプの終列車」、昭和29年の「お富さん」がある。

Youtubeで三日前、木曜日に初めて聞いてびっくりして日曜日の昨日12日に浅草神社で奉納演奏をする予定があると知って聞きに行った。

びっくりしたのは日本語の発音にだ。具体的に言うと「し」を「shi」とは歌わない。豊かな声量ではあるがオペラの発声ではない。日本語の発音は英語、ドイツ語やイタリア語よりも優しく、やわらかいと感じるが、日本語の特徴である優しく、やわらかい音で声量豊かに歌う。力強く艶のある声である。イケているのは声だけでない。外見もイケメンである。

 

聴衆の後ろから帽子までの通路を開けておかなければならないとの事だったが、人垣ができているのでステージを見ようと通路にまで人が立ってしまう。開けるように常連らしい女性が何度も注意した。

「ここは参道のようなものだから開けといて。でないと参拝料を納められない」

と注意していた。

ステージ前に帽子が置いてありそこにお礼をいれるのだが、数曲おきに参拝料を納めに行く人が何人もいた。参拝料は千円札一枚が多い。

 

聴衆は高齢者が多い。小学生の男の子もいた。その男の子もそうだが神社の境内とあってかお札を入れる前、お辞儀をする。その子は楽団に背を向けて参道の終わりの所まで来ると振り返りまた礼をした。楽団に手を合わせる人々がいるのだ。演奏を聞いて有難い気持ちになるのだ。

 

私も歌と演奏を聞いて有難い気持ちになり一部と二部両方楽団に参拝料を納めた。でも合掌はしなかった。手をあわせたのは浅草神社のお賽銭箱の前だけだ。