「今年最小の満月」

歩いて仕事場まで来た。夜道がやたらと明るい。月が夜道を照らしているのだ。東の空に丸い月が輝いている。雲の形がはっきり分かる。満月ではなく下の方が少し欠けているようにも見える。雲がかかっているのではなさそうだ。

 

マンション建物に遮られて月の陰になっている道は暗い。八時半を過ぎているので街灯は付いているしマンションの入り口や通路にも明かりは付いているが。

 

マンションの反対側の駐車場の暗さが際立つ。駐車場は月の光が届かず街灯が一つあるだけだ。人工の照明より月明かりのほうがずっと明るい。

 

道を歩くと思わぬ発見がある。月がこんなにも明るいとは気が付かないでいた。昔理科で教わった月の満ち欠け、樋口一葉『十三夜』、夏目漱石の「月がきれいですね」など月にまつわる断片が浮かぶ。

 

満月っていつだった。それで「今夜の月」でググってみた。

 

すると2019年9月13日の記事「『中秋の名月』と『今年最小の満月』どこでみられる」(日本気象協会 本社 望月 圭子)に行きついた。

 

「今夜の月は中秋の名月で、あすの月は今年最も小さく見える満月です。」

 

とあった。今日は14日だから「あすの月」とは今日の月だ。「中秋の名月」を見そこなったわけだ。

 

昨夜は曇りだったし晴れていても夜空を見上げる風流は持ち合わせていなかったが、今夜の月を見て「中秋の名月」は美しいことだろうと見たい気がする。