子猫
ボクは独りぼっち。
ずうと、独りぼっち。
飼い主はいない。
お父さんもお母さんも兄妹姉妹も仲間もいない。親戚だってない。
小さい頃からご飯を探してあっちこっち歩いていた。
でも運が向いて来たのかな。いいとこ見つけたんだ。
今日もゴミ集積場の小屋に来た。この頃、ここはいつもご馳走が一杯。
開けた穴がふさがれていた。
何とか入らないと。
人が来た。
急いで逃げる。立ち去り難い。お弁当の残りがあるんだもの。
扉が開いた。ボクが散らかしたかを確認している。
食いちぎったゴミ袋をまた見つけられる。小屋の中はまたゴミが散乱している。ボクが食い散らかしたんだ。どやし付けられるそ。怖い。
逃げ出す。
今朝の食事の当ては外れた。
ああ、お腹が空いた。
他で朝ごはん探さなくっちゃ。